理事長日記 CATEGORY
2019年10月
鳥取に住んでいると台風というのは来るのが当たり前で、強風や大雨が毎年やってくるというのは当たり前という印象です。近年鳥取は台風が直撃する回数が減り、東日本を通っていく印象があります。台風が直撃して今回起きた多数の被害が、鳥取に起こるという印象は生まれてから経験したことがありません。どういう行動をするべきかと考えてもリアルタイムに情報を確認できない限り、出来るだけ高い所で外に出る事は控え、何もしないという事が正解と思います。
小学生の頃、台風が来ると傘を持って外に出て「風に乗ってジャンプできるのでは?」という事を考えて、怒られても傘を持って外へ出て面白がっていました。今はそんな事する子供もいないだろうし、災害も予想をはるかに超えた事が起こりますから、今ではこんな発想はまずありえないだろうと思います。
災害は予想をはるかに超えるという表現が年々増加しています。そもそも、予想出来ていたのだろうか?自然というものに対し予想という言葉を使う事に違和感があります。
人類が予想をはるかに超えた自然破壊を行っていて、予想をはるかに超えた自然災害が起こるという考え方だとしたら、皆が自然に対し考える時期に来ていると感じます。文明という観点から考えると、短い時間で世界人口急増と急速に地球のエネルギーを消費して近代的にはモノがあふれた豊かな生活を送り続け、自然破壊という事に対して何も感じることなく今の時代になっているのでは・・・・という謙虚な考え方が出来れば皆の価値観が変化しまた新しい価値観に向かっていけるような気がしています。
上記リンクは世界一貧しい大統領の愛称で有名になった第40代ウルグアイ大統領である、ホセ・ムヒカ大統領の2012年6月国連持続可能な開発会議中のスピーチです。このスピーチは人生の価値観を形成するうえで、私はとても印象に残っています。
スピーチの中の言葉を紹介させて頂きます。
「我々は発展するために地球上にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです」
「貧しい人とは、少ししかモノを持っていない人ではなく、もっともっとといくらあっても満足しない人のことだ」
上記のみの言葉だけ聞くと、キレイごとなのではと思われるかもしれませんが、受け止めるというスタンスで聞いてみて欲しいと思います。この考え方こそが、これからの明るい豊かな社会を創造していく上で一番大切な概念でありSDGsという考え方にも直接繋がっているように感じます。
私たちの価値観は、鎖国の時代から開国を迫られ、その後、度重なる国内争いから海外との戦争に発展し、世界大戦という大きな出来事から復興という時代を得て、現在の価値観が形成されてきました。
日本の山には神様がいる。自然を大切にしなければ「バチが当たる」という昔ながらであり、日本ならではの謙虚さを日本人は再び取り戻すべきなのではないのでしょうか?
一年という時間は、沢山の人に自分の考え方を伝えるにはとても短く、とても難しいという事を感じましたので今回はホセ・ムヒカ大統領の力をお借りしました。あと2か月です。さらに謙虚にやり遂げていきたいと感じた10月でした。