理事長日記 CATEGORY
2019年12月
最後に
最後のブログという事で理事長所信の内容と並行した文章であるべき、事業報告を添付させて頂きます。内容につきましては反省と今後の課題という両面性を私なりに考えた文章です。
【はじめに】
2019年度、鳥取青年会議所が創立60周年という節目を迎え、今後組織の方向性を定めるビジョン作成、発表を含めた大きな決断を経験する一年間となりました。
2017年度から2年という長い年月をかけ取り掛かったこの議論は、日本という国がグローバル化により多様性と呼ばれる状況が生まれ、物事に対する概念がスピードを増して変化する時代だからこその、「普遍的なテーマ」を定めるべきであると協議を積み重ね、最終的に「郷土愛あふれる因幡」という因幡地域のまちづくりにおいて普遍的に変わることのないビジョンを制定することが出来ました。
郷土愛という言葉は、形を持たない「郷土を愛する信仰心」であり、因幡地域に生を受けた我々因幡市民が、このまちの発展を望み続けるのであれば、永続的に必要であると考えます。
私は2017年度から現在まで、この制定に携わる事が出来たことを強く誇りに感じています。
【創立60周年記念大会】
本当にたくさんの関係者の方にご参加いただき、全体を通し尊敬の心と感謝の気持ちでお迎えすることが出来たと考えます。
周年という節目に対する今後の課題は、青年会議所OBと来賓に対しては別の対応を考えるべきである事と、全体としてシンプルに集約し開催する事が必要と感じます。開催側の我々にとって、あっという間の時間ですが、全体を通し長時間な印象を受けました。
ビジョンの発表という我々の主張させて頂きたい部分については、何度も繰り返すという手法で目的が伝わった部分はありますが、制定の背景部分をもっと詳細にする事で受取りやすく出来たことに課題を感じています。今後の運動により、その部分を掘り下げ、認識を深めていけば必ず浸透していけると考えます。
【シンボル事業】
SDGsの認知度向上という60周年記念事業に取組み、理論上では因幡地域のSDGs推進に対し大きく貢献できたのではないかと考えます。手法も人を惹きつけるという観点から当日の一体感もあり、的確な開催であったと感じます。
今後の課題としてSDGsは「持続可能な開発」というビジョン推進の方向性にも並行し、対外的にわかりやすく取り組んでいける手法なので引続きSDGsの認識を高め、ブラッシュアップしていけば因幡地域のオピニオンリーダーとしての位置づけで活動していけると確信しています。そのために、より先進的であり具体的な因幡地域の持続可能性を、すべての委員会が意識すると共に発信していく事が必要であると考えます。
【参画型事業】
2019年度に開催した事業の共通課題は、「参画型事業」の推進。
本年度すべての委員会が達成できたと言えるのではないかと考えます。
対外に参画を求めるには、テーマに対しての認識がゼロではなく、テーマに対し、元々認識深く、その可能性を感じている人々を巻込むことが必要です。この事が事業でより大きなムーブメントを起こす為に必須な過程であると考えます。
課題は、JCが単年度制であるという事を深く理解し、予定者段階のスタートダッシュが何より必要であるという認識を組織全体に浸透させ、理事を受けた瞬間から自らを強く変化させることが、より大きな成功につながると確信します。
【活動をよりグローバルへ】
グローバルという意味では、SDGsの推進を掲げ国連の目標を達成する一助となり、因幡地域での推進が出来たと感じます。
今年感じた本当のグローバル推進というのは、各国の宗教という信仰心を始め、伝統文化を理解することが何より必要ではないかと感じます。日本は神道と仏教徒の割合が多い国ですが、世界的に仏教徒は5%という現状になります。結論世界的に見れば日本という国の考え方はメジャーではないと受け取ることもできます。
国というのは概念の出発点が宗教であり、各国において長い時を得て醸成された多様性でもあります。この状態を理解し、少子化という課題に向かっていく為にも、自ら相反する価値観にも寄り添っていく事が、今にも増して必要となっていくと考えます。日本人は信仰心という言葉を敬遠する現状があり、神道と仏教複数の信仰心を持つが、それを信じていると答える国民は2割から3割と言われています。
JCメンバーで分かりやすく言えばクリード「我々はかく信じる 信仰は人生に意義と目的を与え」という文章。これは、世界にメンバーがいるからこそ各信じるという言葉が使われています。この事から、例えば自国での信仰心を高め、そのうえで世界へ主張できる、その主張を世界へ広げていくという意思が生まれなければグローバルを目指すとは言えない状況であると課題を感じました。
【結びに】
郷土愛というものは本来、自然に生まれ続けていなければ不自然な状態と言えます。ただ、因幡市民の郷土愛に対する同一性という言葉は、ただ単に「同一の認識を持っている市民」という状態です。我々の祖先を信じ、その各時代背景を認識することで、その時々の感情を受け取る事ができ、誇りも生まれます。それこそが、郷土愛です。
そのことに目を背け続けていけば、このまちは人口が減り続け、この地に存在意義が無くなり自然消滅していくでしょう。我々の使命は祖先とその誇りを受け継いだ自分たちを信じる事です。それ以外にこのまちの存在意義を見出すことはできないでしょう。そのことに気付けた2019年度、令和元年。今後の因幡地域を持続可能にする、そのスタートを切れたことを我々は誇りに感じましょう。この気づきにより、我々は過去最高の鳥取青年会議所だと感じます。
一年間この職を経験させて頂き本当にありがとうございました。
公益社団法人 鳥取青年会議所
2019年度 理事長 奥田 真悟